ビアシャン秘話 ~ビアシャン誕生までの軌跡~ 第三章

山梨日日新聞

 最近は特に若年層の新聞離れが進んでいるらしいです。私が新聞を手にするようになったのは小学校1~2年生の頃でした。とはいっても番組欄を見るだけでしたが...。小学校3年の夏休みに父が当時の後楽園球場で行われた巨人-ヤクルト戦を見に連れて行ってくれその翌日からスポーツ欄へ目を通すようになりました。その後中学、高校と徐々に全体へ目を向け朝食前には必ず朝刊へ目を通す習慣がつきました。今思うと学生時代の作文は新聞を読んでいたおかげであまり苦痛ではなく、新聞から得たものは随分多かったと思います。

新たなる挑戦

 いくつかの農作業を体験し自分の頭の中で多くの遊休農地を解消するには麦の栽培が適していると考えるようになってきました。
その理由として
①栽培が容易である
②化学肥料や農薬を使わなくても栽培できる
③本業の米と共通の機械がある
などがあげられます。

そんな中NHKのおはよう日本の中で島根県の地ビール醸造所「I麦酒」さんの紹介がありました。放送終了後I麦酒のYさんに電話し2週間の研修を快く受け入れてくれ56歳にして私の新たな挑戦が始まりました。

ノナカミホさんとの出会い

 新聞の大きな特徴は、自分が好む好まざるに関係なく嫌でも多種多様な情報が目に飛び込んでくるということがあげられると思います。パソコンやスマホがその人の興味のあることを優先的に情報として出てくることとは大きく異なります。山梨日日新聞の社会面である女性の記事を取り上げました。私の近所に在住の方でこの時初めてノナカミホさんの存在を知りました。モノクロの直線と曲線が織りなすけがれのない素直なデザインは今回のビアシャンを立ち上げるにあたってなくてはならないものとなり、人と人とをつなぎ合わせる新聞というものはこんな大きな役割をもっているんだなあと思いました。

南アルプス市の鳥ライチョウ

 各県や市町村にそれぞれのシンボルがあり南アルプス市は市の鳥がライチョウとなっています。この女性を世に出したい。この想いが私の偽りのない気持ちで「南アルプスビール」のロゴをお願いしました。その女性がノナカミホさんです。「ノナカミホ」で是非検索してください。ライチョウとホップのデザインをもとに北杜市在住のデザイナー清水菊乃さんの協力のもとちょっと「ワイルドでカッコいい」ロゴが出来上がりました。ロゴ入りの商品はグラスとコースターを手始めに作りましたがまだまだすそ野は広がりそうです。この二人の協力を得て少しずつ少しずつ進化していきたいです。

不思議な夢

 2020年6月30日より「I麦酒」さんでの研修が始まりました。
その初日の夜今まで一度も夢になど出てきたことのない母が笑顔で夢枕に立ち、研修最終日の7月10日は叔父の命日でその日も叔父が夢に出てきました。
この二つの不思議な夢を見て研修に来たことが私にとって良い選択だったように思いました。
研修中は朝食前に実習の予習、昼休みは午前の復習午後の実習後1日の復習、休日はYさんの紹介してくれた人との人脈づくりとフル活動し人生始まって以来の長時間学習となりました。

写真は島根までの9時間を付き合ってくれた愛車シーマです。

醸造家(ブルワー)誕生

 研修終了後厨房機器をそろえる為業者の岩間博雄さんに相談したところ、大工仕事の高根広雄さんとともに格安の値段で見積もりを立ててくれ、この二人のおかげで店舗を半分醸造所に改装することができました。その後本来は工作を大の苦手としている私ですが手作りのクラフトビール製造キットを自らの手で作り上げました。同時進行で税務署に醸造免許の取得申請書を提出し9か月後ようやく南アルプス市第一号?(だと思います)のクラフトビール醸造所「南アルプスビール」が誕生しました。思えば中学時代からの青春期をギター、単車、車でおう歌し板前の道は断念しましたがこんな形で調理に携わる道が開けまた一つ大きな夢がかなった気がいたしました。

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